2004/08/06 (15日目)
先のとがった細い眉毛処理用ハサミでさなぎを傷つけないように繭を切って見ました。
まださなぎになっていないお蚕さんはそのままにして羽化(うか)用観察箱をつくりさなぎを移しました。
いよいよ羽化(うか)を待つばかりです。繭をつくってから羽化するのは約10-12日後と飼育ガイドに書いてあります。
通常は繭の中で羽化をしてアルカリ液を口から出し繭を溶かして外へ出てきますが、繭は綺麗なままで別に使う目的が
あるのでさなぎを出すことにしました。一体どんな“蚕蛾”(モスラ)になることやら。
おチビさんはやっぱり脱皮の時に他のお蚕さんよりも体力がなく発育が極端に悪く病気だったのでしょう。
一時は大きくなりましたが日に日に痩せ細り、頭を八の字(左右)に動かしますが糸が出てません。
このまま見守るしかありません。

このコは黄色の繭をつくるので出来たらこうなるんだね。
2004/08/07 (16日目)
東京は連日連夜30度を越す猛暑続き。24度位が適温のようですが成長過程に影響がなければいいのですが。
さなぎの色も飴色から徐々にこげ茶色に変わって来たように見えます。
さなぎになっていない切った繭は中で再生されて切り後がなくなっていました。

数頭を残しさなぎを繭から出しました。おチビさんに繭を布団代わりに入れてこの中で飼育です。
2004/08/08 (17日目)
午後には、すべてのさなぎを取り出しましたが2頭が死んでおりました。
先に取り出したさなぎは元気で触れるとお尻をクルクルと回してチョット面白いですぅ(笑)
羽化するまであともう少し掛かりそうです。

おチビさ〜ん・・・。
2004/08/09〜10 (18〜19日目)
そろそろ羽化の時期ですが性別の見分けが今ひとつ自信がありません。
見た限り8割方メスぽいのですけどぉ〜(謎)
オスを探し当てないとなりませんが、いじくり過ぎても良くないので羽化してから考えることにしました。

これ♀(メス)だよなぁ〜??
2004/08/12 (21日目)

早朝、羽化箱を覗いて見ると……。最初に繭を作ったお蚕さんが

羽化してました。

こんにちはぁ〜、始めまして繭姫で〜す。 みたいなw
間近で見ると綺麗な蚕蛾(モスラ)の印象でした。
指を寄せると翅(はね)をパタパタさせながら乗って来ました。
お〜っ‼ 人懐っこいのね v v
ガの印象だと、バタバタすると粉(りん粉)が舞って翅を掴むと指に付くような “ガ”と思われますが
それ程 気にならずあまり付きません。 本当に可愛いしとても綺麗です(オスはw)
蚕蛾の胸部には3対(6本)足があり胸部には翅がありますがまったく飛べません。

さなぎから羽化した成虫(元お蚕さん)蚕蛾・♂です。
2004/08/13-14 (22-23日目)
そろそろ羽化で忙しくなると思い、いつもより30分早起きして様子を見に行くと・・・
昨日生れたオスの蚕蛾が羽根をブンブンさせながら動き回って凄い興奮状態。(*∀*)ウヒョー
なにを興奮しているの?と思い羽化箱を覗くと、

まさに羽化の真っ最中。

大きくて丸まるてボテッと肥えているので一発でメスとすぐにわかりました。(笑)
もうフェロモンを感じてる様子でオスは飛び掛かる勢いですがメスの翅(はね)がシッカリするまでおわずけ!
30分ぐらいすると、もう翅はシッカリ伸びたので、指にとまらせようとしても重くてとまらないので
お腹をつまみ別の場所へ移動する途中に黄色味掛かったオシッコを掛けられました。(泣)
お皿の中にオスとメスを移動させるとオスはブンブン羽ばたきながらメスの周りをクルクルと回り
直ぐに交尾が始まっちゃいました。(`;ω;´)
※ オスは小さく活発的で、メスは体が重いのか動きが鈍くあまり動けません。

ガッタイ!!
2004/08/13-14 (22-23日目)
交尾から3-4時間したら翅(はね)かお腹を持って引き離します。
強く食っ付いているので取るのにチョット大変。
外すと黄色か茶色味掛かったオシッコをするかも知れません(涙)
しばらくすると産卵が始まりますが・・・。あれ?
卵は黄色味掛かっていて500個近く卵を産みます。卵は張り付いているためになかなか外れません。
数時間するとここまで卵を産みます。
※ 今日新たにメスが羽化しました。

産卵風景。 フェロモンを出す器官。
2004/08/15 (24日目)
今日もメスが4頭(画像が間に合ってないですが)羽化しました。
またメスかよ!!(鬱)って感じです。
 さなぎからしてオスは少ないと思ってましたがなぁ〜。
3頭は翅に異常があり奇形?ぽいのですけど…何!?
画像にはありませんがチョット元気のないメスが翅を動かし始めました。
大きさからメスと思ってましたがオスでした。でも、交尾をさせるのは避けました。
日付が変わる頃にはメスは卵を産み始めてしまいました。(詳細は8月16日)
頼む!! 明日はバランスよくオスが産まれますように。

蚕蛾を移動させる時に必ず茶色のオシッコを掛けられる。(・∀・)モウヤメレ!!
メモ: 今年は例年にない猛暑続きで気温30度以上の「真夏日」が7月6日から続いている。
東京・大手町の気温が14日午前30度を超えた。
連続日数は40日となり、気象庁が 大手町で観測を始めた大正12年以降の最長記録を更新した。
熊本では6月28日から48日連続真夏日となった。気象庁によると東京では14日午前8:20に30度を観測。
午前11時までに33.5度となった。15日は前線が南下し最高気温は30度となる見込み。
東京・大手町の真夏日連続日数は、平成7年の連続37日の記録を8月12日に更新した。
東京の連続真夏日「40日」でストップ 猛暑ひと休み 8月16日(産経新聞)
2004/08/16 (24日目)
交尾をして産んだ卵はどうやら非休眠卵か未受精卵のようです。
見ると卵の真ん中が凹んでいて未受精卵ぽいのですが・・・。
自然に離れるまで待てば良かったのか、引き離す時間が短かったのか、このまま数日間様子を見ることにします。
 卵には「休眠卵」・「非休眠卵」・「未受精卵」があり、2日位して茶色に変わるのが「休眠卵」で越冬して来年の卵で、
黄色のまま変化がなく10-14日位して孵化した卵を「非休眠卵」、受精が完全でない卵を「未受精卵」と言います。
また、メスは交尾をしなくても卵を産み落としますが孵化はしません。
※ 8/12に羽化した最初の蚕蛾(オス)は夜に死んじゃいました。

マイクロスコープにて拡大。 新たに4頭のメスが羽化しました。
2004/08/17 (25日目)
今日4頭のメスが羽化をしてすべてのさなぎが蚕蛾になりました。
自分にお疲れ様のエールを送りたいのですが
これから生き絶える蚕蛾を見送らなければなりません。
それにしても後半はすべてメスが産まれオスの誕生を待ち望みましたが、今回は2頭だけで
すべてメスと言う結果になりました。(((´・ω・`)カックン…

すべて羽化した蚕蛾。
2004/08/20 (28日目)
数日しても黄色のままで何も変化しなかった卵は疑いもなく未受精卵と思い込んでいた昨日辺りから
黒い点が見え始め、今日見ると薄紫色に変わり始めました。
非・非休眠卵だったのでした。
産んだメスの蚕蛾も孵化を見守るように元気で、もしあのままオスが産まれて交尾をさせていたら違いなく
孵化するのでしょうね。
1蛾(卵を産む単位)400〜500個を産むのですから。
色々調べてみると明日辺り孵化するようなことが書いてありました。マジ?

数日して卵の色が変わって来ました。これは若しかしたら新しい生命か・・・。
2004/08/22 (30日目)
あらまぁ〜!!  驚きました。
すべて孵化して2世が誕生しました。
まだ人工飼料が残っているので与えてみます。
このまま行ける所までやってみるしかないのぉ〜? (お尋ね;;)
※ 蚕蛾は2頭が死んじゃいました。

孵化したのを間近で見るのは始めて。こんなに小さいのかぁ〜。
2004/08/24 (32日目)Tne End.
お蚕さんを飼育してから早くも一ヶ月が経過しましたところで、繭姫のお蚕さんの飼育に挑戦は最終回を迎えました。
誕生した2世のお蚕さん達は数頭が死んでしまいましたが1眠を済ませ終えたのが数頭見え始めて来ました。
飼育は出来る範囲で継続して行きます。
 しかしながら1蛾育てるのに4齢から繭を作るまで人工飼料が20頭で1本強でしたので仮に300頭で計算すると15本の
人工飼料が必要になる訳です。千円として15000円。
孵化から繭にするまでの飼育代は30000円近く掛かってしまうのでしょうかね?
単純に繭の原価は一個100円。
人工飼料での養蚕はとても厳しい物を感じさせられました。
※ 今日、卵を産んだ蚕蛾と数頭が死んじゃいました。

大きさは約7o。姿はもうお蚕さん。
飼育結果のまとめ。
一ヶ月に渡りましてお蚕さんの飼育に挑戦をしてみました。
今回の目標としては自分なりに満足の行く結果が得られ、また新しい発見もいたしました。
幸いなことに元気のよい2種類のお蚕さんと飼育する数頭も丁度よく観察が出来ましたが、例年にない猛暑続きで
お蚕さんにとって大変な季節だったのではないかと思っております。
養蚕業を営む方々は良い餌つくりから始まり、形や質のよい繭をお蚕さんにつくって貰わないとなりませんが
絹糸の価格が低迷して年々減少しつつ国内では限られた地方で数戸残るのが現実みたいです。
現在では小中学校の教材として体験学習をしている地域もあるようですので、飼育を体験して少しでも
興味を持つ方々が増えて欲しいと願う思いです。
さて、今回の飼育の反省といたしましては、さなぎをすべて羽化させた点です。
飼育ガイドにはお蚕さんの性別の判別が記載されておりましたが判断が出来ず、すべて羽化をさせなくても数頭を
残し繭の中のさなぎごと乾燥させて終わらせてしまえば良かったと思っています。
情がうつり弱っていく観察は耐え難い思いで自然に死んで逝くよりは早めに仕留めてしまった方が
どんなに気が楽かと思いました。また、羽化した蚕蛾が自然に死んで逝く観察は極力避け、飼育する機会が
もし出来たら今回の教訓を生かし、もう少し効率よく取り進めて行きたいと思います。
今後のご参考にして頂けたらば幸いです。
最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。
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飼育したお蚕さん:20頭 繭をつくったお蚕さん:19頭  ( 白繭:10・黄繭:9 )
※ おチビさんは繭をつくらず8/9に死んじゃいました。
さなぎになった数:19頭 羽化しなかった数:4頭 羽化した数:オス:2頭 メス:13頭
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お蚕さんに病気があって養蚕を本業となされている方に迷惑を引き起こす恐れもありますので、飼育なさった場合の
処分は生きたまま放さないでください。
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お蚕さんの飼育2(成虫編)終わり
幼虫編に戻ってみる --- 飼育してみようかな?